by とらやまねこ

 

FM受信アンテナの製作編 2022/03/21

 以前からマスプロのVHFのダイポールを1.86cmに伸ばして、それだけで受信をしていた。マストと屋根馬もやはり大昔の錆びていたを塗装して使っていた。
地面に立てていたので、多分H4.2m位であったが、東京の送信所も受信は可能であった。地元局はSメーター振りきりである。
フィーダーは同軸ではなく、UHFに使っていたメガネフィーダーが余っていたので、それを使ってる、300ではなく200Ωだが。
一時、チューナーにF柱を作ってバランで75Ωにしていたが、バラン無しの方が信号レベルが大きかったので、ミスマッチではあったがつっこんでいた。バランの損失ってそこそこあるように感じる。昔のチューナーなので、300Ω入力端子があり今はそこに入れてある。バランスとはいえシールドがないのでノイズは拾いやすい、パソコンが動いて、近くに線があるとノイズは拾うが、少し離せば拾わない。

1.
始めは2エレ

マスプロのFMアンテナの一番小さいのは、2エレである(FM2A)。折り返しダイポールと反射器。
私はAFの人だが、八木宇田アンテナのこと位は多少は知っていて、導波器は知っているので、折り返しダイポールと導波器という組み合わせは無いのだろうか?と思った(勿論OK)。
 地デジ遠距離受信ではゲインの大きなパラスタックだが、FM受信では沢山の局を聴きたいので、無指向性の方が好ましいということもあろう、するとゲインは教科書では2.15dB
、淋しいこともある。
またゲインを稼ごうとするとFM波(FM放送の電波)は波長が長いので、アンテナが巨大になるというリスクがあり、重さ、大きさを評価すると、やたら素子数は増やせない。
また素材は、マスプロのVHFアンテナを捨てないでおいたのを使うので、その在庫の中でまかなうのも今回のテーマである。(もと電波少年だから抵抗一本捨てるのも悲しいのだ、といってもまさかじいさんがFMアンテナを自作することになるとは)

ということで導波器2エレを作った、ダイポールは1.86m、導波器は1.8m、間隔はは0.77m。屋根に載せることにしたので、屋根馬を新調。3点張り。H5.7mほど。
受信状況は向上、ノイジーなFM甲府(コミュニティー局)が改善、東京波は向上。

2.
次は345エレまで

MMANA
というソフトウェアがあることを知り、ネット上では使い方に関して色々ご指導くださる方もおられ、勉強させてもらった。ありがとうございました。
アンテナ設計に1日、2日没頭して、問題点とソリューションを得ることとなった。
制限としては、アンテナブーム長は1.44m、それ以上だと繋ぎとステーが必要なので、1.44mを限界とすること。
問題点は、共振点以降のリアクタンス上昇をどのように抑えるか、SWR2.5以下にすること。先の2エレではとんでもなくSWRが悪いと判明。
この問題は4エレまでつきまとうこととなった、仕方なくスミスチャートを参考に整合回路を挿入するかと考えたこともあった。
 このMMANAというソフトウェアを使う人は無線の人が多いようで、無線なので使う周波数は決まっているから、そこだけに集中すればよいが、FM受信では7695MHzで広帯域に渡り良好なゲインとSWRを得ないといけない、そう、目標が異なるのだ。
やってて分かったことは、テレビアンテナメーカーのエレメントの配置は教科書通りではないところの方が多いと思っていたが、深いノウハウがあると察せられる。何とかさまざまな配置やエレメントの長さを入力して、分かったことに波長による原理原則部分とそうではないところがあるようだ。
共振点以降のリアクタンスの上昇は、誘導性なので割と緩やか、共振点以下では容量性なので変化は急峻なのか。ということは共振点はセンターではなく、下限に合わせた方がよい。
またダイポールの1.86mはどうも長すぎるようで、1.75mにした。(今にして思えば共振点を下げて1.86mのままでも良かったかもしれない)
そこまでは、4エレを想定していた。
 行き詰まったとき、ちょっとひらめいたことがあり、導波器を多くするとこのリアクタンス上昇が抑えられるように感じていたので、ダイポールに近いところに導波器(下記No.3)を入れたらどうなるのか試算してみた。それも長目の奴を。

するとインピーダンス特性、SWRともかなり良い結果ではないかと・・・・「小さめの5エレFMアンテナ、充分製品化できるかも」頗る喜ぶオッサンであった、「ああ、エンジニアリングだな」とつぶやく。(シミュレーションだが)
 MMANAのエレメントと特性を以下に示す。エレメントの長さがちぐはぐなのは手持ちのアルミパイプからの制限。
追伸)2番目の導波器No4を省略しても大差がないことが判明

86MHz76MHzのパターン、76MHzでダイポールのみの特性に近くなっているのが分かる(痩せ気味ではある)。がしかしゲインは稼げている。

アンテナの設置状況 見通し線、方角はスカイツリーにあわせるので、リッジは大菩薩の稜線、大藏高丸が目印、近くでは神社の杉の木、南プス白根地区。ダイポールに近い3番目、長目の導波器がみそ。地デジ同様、ほとんどの県外波は山岳回析されて入ってくる。ただVHFは周波数が低い分、回析損失は少なくなる。

東京FMの受信状況 チュナーはOTTO(三洋)のFMT-77、入門機でFM3VCIF、検波はLA1230MPXLA3350AMは何故かHA1151
改造して、HA1211 IFAMP2つのセラミックフィルターの間に追加、他にはSメーターとチューニングメーターの照明を追加、ケミコンはルビコンが使われていたが新しいのに交換、直だしの出力をRCA端子に変更、少し大きい電源トランスを追加、ということは元のは点灯用、電源のブリッジをSBDに変更したが、抵抗一本替れば音が変わるオーディオアンプとは異なり、かなり鈍感。
外見は4mm厚シャンパンゴールドのラックサイズで取っ手つき、スケール照明も綺麗で、少し高級感がある(写真では微妙な色合いが再現できない、パネル全体が薄オレンジ色に輝き綺麗です)。Sメーターは何故か6/6フルスケール、一番左の目盛りは0LA1230Sメータードライブ回路はログスケール出力であり、IFアンプ追加で、11.5目盛りほど上がったので、1目盛りなら20dBほどかな
(後にデータで確かめると、30dBμV0Vで、100dBμV5.8Vでサチルので、6/6フルスケールなのかもしれない。ただリニアではなく中だるみがあるから「だいたい」ね。平均すると1目盛り12dBほどの模様)。ただし不確か。以下に2エレと5エレとの比較、放送局ごとに増加幅は異なるが、理論的にはせいぜい23dB程度のアップだろうからね。

放送局

周波数MHz

出力

Sメーター6/6 2エレ

Sメーター6/6 5エレ

Sメーター6/6 TA7302P

送信場所

音質

FM甲府

76.3

20w

3.5

4.0

振り切り

酒折

Inter FM

76.5

300w

1.5

FM甲府と混信

鶴見三ツ池

×

FMふじやま

77.6

20w

1.5

3.3

鳴沢村字富士山

×

ベイFM

78.0

5kw

2.7

3.0

4.3

船橋

FM FUJI

78.6

300w

6.2

振り切り

三つ峠

NACK5

79.5

5kw

4.5

飯盛山

×

東京 FM

80.0

10kw

4.5

4.9

振り切り

NHK千葉

80.7

5kw

5.2

船橋

J-WAVE

81.3

7kw

4.8

5.7

振り切り

墨田

NHK横浜

81.9

5kw

2.5

4.0

磯子 円海山

×

FM八ヶ岳

82.2

20w

1.8

2.3

4.1

小淵沢、後方

×

NHK東京

82.5

7kw

4.1

5.6

振り切り

墨田

FM FUJI

83.0

1kw

振り切り(6.3

振り切り(6.3

振り切り

坊ヶ峯

NHK甲府

84.7

100w

4.0

振り切り

身延

NHK埼玉

85.1

5kw

5.8

振り切り

さいたま平野原

NHK甲府

85.6

1kw

振り切り

振り切り

振り切り

坊ヶ峯

東京 FM

86.6

300w

2.8

4.2

檜原

×

ラジオフチューズ

87.4

10w

1.2

1.8

3.6

府中

×

Inter FM

89.7

10kw

3.0

3.2

4.5

TBS

90.5

7kw

4.0

4.3

振り切り

墨田

YBS

90.9

1kw

振り切り

振り切り

振り切り

坊ヶ峯

文化放送

91.6

4.7

墨田

アールエフラジオ

92.4

5kw

34

鶴見三ツ池

ニッポン放送

93.0

5.0

墨田

はノイズがあり、モノにて許容レベル。振り切りは6.3
 NHK横浜の送信所から受信点までの見通し線はなんと3回の山岳回析である。試算すると回析損失は-53dBFMヨコハマ84.7MHzは大山送信所で5kw、ただし身延中継局のNHK甲府84.7MHzが被っている。またしても迷惑な身延中継局、こっちに不要な電波漏らすなといいたい。j
また一番好みの局であるInterFMがステレオで聴けないのは悲しい、プリアンプでも作るか、それも300Ωバランス差動増幅器で・・・

追伸)
 ダイポールの給電部の引き出し方は、当初マスプロの75Ωのシールド用の端子を使っていたが、これを廃して、1.25-3の圧着端子でダイポールのアルミ管の引き出し部分にネジ止めするやり方にしたら、全般的にレベルが上がったように感じる。FMT-77のフロントエンドの同調コイルには300Ωバランスで入れることが可能である。


自作MPX HA11223Wへ変更 2023/03/26

学生時代にはIF・検波やMPXICは存在していた。三洋とか日立、東芝、松下製で、私は日立のを使ってFMチューナー自作に挑戦していた頃があって、まだその時買ったフロントエンドとかパーツが残っていた。そんなこともあってMPXをテスト用に作り直していた。
さてOTTOFMT-77は、入門機で最低限の構成である。メーター欲しさにハードオフで買ったのだが、まあ動作はするし、音に関してはマシュマロのような音なのはラジオだからなと思ってはいたが、以前MPXが壊れたパイオニアのTX8900Uに繋いだHA11223Wの自作MPXの方がはるかに良い音がした記憶があった。
 ので、FMT-77の検波から出力をとって繋いでみることとした。
そのHA11223Wの自作MPXAFだからね、長年の経験はあるものだから、独自にアイデアを入れてある。LCフィルターなのが大きいと思うが、音質は格段に良好だ。高音の抜けの悪さがなくなりシンバルはよく分かるし、解像度が高くなった。腰高だった低音も低い方まで伸びているが、ピラミッドほどの壮大さはない。ステレオにしてもノイズは少ないが、InterFMはモノにしないとやはりノイズが多いので聴けないが、音質は悪くない、FMT-77MPXLA3350)よりははるかに少なく良好。(LA12306P、検波出力→MPX→出力までにカップリングCはたったのふたつにしたのがAF的創意工夫)
入門機では、MPXICの後はCRフィルター、一石のエミッタ接地のコレクター出力何かだろうから、これではプアである。おまけにマイラーコンである。メーカーとしては製品のコストやグレードによる差別を考えれば当然のこと。
HA11223W
はゲインが1以下なので出力は低いのが欠点で、メーカーではこの後にアンプを入れているようだ。HA12016なら+12dBあるからその選択も良いかもしれない。

MPX
を自作HA12016へ変更 2023/04/04

MPX
は外付けでは筐体がふたつになり不便なので、内蔵することにした。空きスペースは沢山あるシスコン入門機なので、写真の通り基盤一枚位は入る。
HA12016
の出力アンプの抵抗値は日立のデータ通りの値を採用したが、メーカーでは異なる値で使っていることの方が多いようだ。面倒なのは、MONSTEREOAMの切り替えを新たに考えなくてはならない、AMMPX経由で出したい。元はAMFMの出力をSWにて切り替える方式で、AMHA1151からそのまま出しているところはシスコン入門機のなせる技。元のLA3350とその後のLPFトランジスタ1石への電源は外し、HA1201612pMONVCOストップ信号を与える必要がある(ピンク線)。またAM出力をMPXへ入れることも考慮する。これはファンクションSWの空いていた回路を使って何とか確保した(紫スパイラル線、FM検波出力との共用入力は無理)。LPF(四角の緑)のあとはK223のソースフォロワーにて出力。AF経路の抵抗はKOAの金属皮膜。

肝心な音はHA11223Wが繊細感のある音に対して、中低が太い感じ、特にありていには「低音の伸びが良い」ベース音により実在感がある。
ただし始めは、エージングされていない、とんでもない音だったが、30分くらいから聴けるレベルになった。
ケミコンのカップリングC(ルビコン普及品)でも、そこそこ聴けるのだなとは感心する。

余興)FM補完中継局は、現状ではYBSTBSが聴けるが、文化放送やアールエフラジオ、ニッポン放送を聴くにはOSCの周波数を変更すれば聴けるだろうと試みた。
勿論可能で、一番高いニッポン放送の93MHzを上限として調整した。電波の強さは文化放送91.6とニッポン放送は充分だが、アールエフラジオはノイズが多い、送信所は鶴見三ツ池で5kw
ただしスケールは凡そ何MHzずれという感覚となり、至極不便、また番組はAM局なので需要少なく、元に戻した。


HA1211
からTA7302Pへ変更 2023/04/06

もともとはフロントエンドからふたつのCFが直列、そしてLA1230へ繋がっていたのを、CFの間にHA1211を挟んで、ゲインを上げていた。
それをもっと上げようと、TA7302Pに換装した。このIFアンプは、1段差動のHA1211に対して、2段差動でゲインは35dBと高い。
理由は、東京FMにはまだわずかにチリチリノイズが乗ってくるのである、またコミュニティ局のFM甲府にもチリチリが乗っていた。
結果としては、劇的にSメーターの値が上がった。前述の表に加えると、東京FMを始め、振り切る局が多くなった。チリチリはもう気にならない、静けさ。ただしInterFMやわりと好きなベイFMは相変わらずノイズが多いがステレオでも何とか。前はノイズに埋もれていたFMふじやまもかなり良くなった。
 一番遠いベイFM送信所からの距離は144km位だろう、Sメーターは5.0付近で周期的0.5secくらいで変動する、下がればノイズが増加、上がれば減少と分かりやすい。
3
VCの性能の限界かと思っていたが、ソリューションは割とイージーであった。ただIFのゲインを上げているだけなので、付け焼き刃的であると想像していたが・・。プリアンプを作る必要もなくなった
またLA1230の検波出力6pにぶら下がっていた330pセラミックCC18)を82p双信デップマイカに変更、高域の抜けや全体的解像度が向上、弦の音も良好、やはり昔からいわれているがセラミックCHiFi向きではないのだ。

日立HA1211と東芝TA7302P と増設状況、ふたつめのCFは基盤表側、ひとつめCFをのけて、空いたパターンの真ん中のバターンがアースなので、そこをアースポイントにしている。

遠距離受信として 2023/04/10

さてここまで受信環境、ハードウェアの話を中心にばかりしてきたが、一番大事なことはFM局、テレビ局にかかわらず、受信点における電波の強さである(次に品質)と思う。これはハードウェアのみでの解決には限界があると思う。
地デジの方は、12月の上旬までは24CH(テレ朝)が映っていたが、それ以降寒くなると受信は出来なくなっていた。大気の寒暖が電波の強さにどれほど関係するのか、その技術的根拠については、充分調べをしたわけでもないが、これは間違いのない事実だと感じている。
G
帯ではないので、降雨の影響は無いといわれるが、これは正しいと思う。雲や雨はそう影響がない。
特に寒気が南下したときには電波が弱くなる。暖かい日にはふと映ったりする。直近では寒気が入ってきた昨晩はテレ朝が見えなかったが、今朝は見えた。数日前の暖かな夜には映る。
ただTVKはずっーと映っていた。
同様に、ラジオでは昨日は東京FMにチリチリが乗っていたが、今朝は乗っていない。 受信点はラジオは白根、テレビは自宅で韮崎なので、以前述べた受信点近くの条件ではないと考える。
VHF
UHFも似た電波の性質なのだろう。同様の現象なのだ。昨日はダメでも今日は良いという青天の霹靂的な現象だなとその都度感じている。
次にこのようなことが論じられたり、調べられない理由は、そもそもサービスエリア内での規格(60dBμV/mとか48dBμV/m)があり、事業者も行政もスピルオーバーについては知らないよ、責任はありませんというスタンスなのだろう(迷惑な身延局は存在するが、せめて周波数やCHを変えてくれ)。よって遠距離受信に関しての知見は公的には不要だし、研究もない。一般受信者にも関係ない。
 逆の立場でいえば、だからアマチュアの遠距離受信報告や考察は好奇心を満たすことや暇つぶしだけではなくそれなりの意義があるのかもしれない。

FMFUJI
と三つ峠中継所考察 2023/04/12

以前はノイズが多かったFMフジ三つ峠中継所からの電波は、現在はSメーター振り切り、ノイズは皆無となり品質は親局からの電波と区別が付かなくなった。
東京方面へ受信エリアがあり、千葉や茨城の一部までエリアマップには示されている。が出力は300Wしかない。スピルオーバー前提の中継局なのか?ジュリエットオスカー氏の三つ峠中継所探訪の記事を拝見すると、貴重な参考となる写真があった。不思議に思っていたのは東京方面に飛ばしているのに、甲府盆地でも私以外にも受信が可能なのである。
その写真はアンテナの写真で、5素子八木のスタックが東京方面を向いて、3素子八木が吉田方面を向いているものであった。盆地は反対方向だ。また静岡や神奈川の一部は親局からの回析波の可能性もあるが、三つ峠からの方が無理がない。
 そんなことで、この中継所からの飛び具合を考察しようかというお題である。
ただ不確かな前提だけ言い訳しておくと、1.正確な方角(アンテナの向き)が分からない。2.アンテナの正確な寸法が分からない、スタックの間隔が分からない。3.吉田方面アンテナと東京方面アンテナへの入力電力の割合が分からない。
分かっていること1.出力は300W2.アンテナ塔の高さは数十メートルと標高を加味して1800mほどから飛ばしている。指向性のあるパターンであること。と総務省電波利用ホームページ無線局免許状等情報を調べると最大実効輻射電力 2.6 kWとのことです・
 参考までに、三つ峠のNHK甲府はSメーター5.5ほど、ノイズあり、出力100WERP150Wとのこと。探訪記など拝見するとアンテナは八木3素子クラスが2本が開た角度で設置、方角は都留とか吉田とかだろうか。
不明な点と前提条件
1.
正確な方角が分からない 真東に飛ばすと羽田空港あたりになるので、埼玉なんか考慮すると数度北に振っているか?10°とかとか。
2.
アンテナの正確な寸法が分からない 写真の下に位置するFM補完のYBSのダイポールは小さめである周波数は90.9Mz、送信周波数にサイズは合わせるだろうからとして、また見たところ原理原則的なエレメント配置でもあるから、λ3.8mとして、使い慣れてきたMAMANAにてシミュレーションする。指向性とゲインは実際よく合うという噂を信じて。SWR1にて運用していると仮定。ただし私はRFの人ではないから送信の感覚(センス)は持ち合わせていない。
3.
吉田方面アンテナと東京方面アンテナへの電力の割り振りが分からない これは全く分からないが、戦略的には14.くらいか? 適当に60W240Wにする。(吉田方面へは60Wとすると7kmほどだから、アンテナゲインは不明なので+6dBとして、ERP240Wd7000mの受信点で84dBμV/m、こんなものかな?) 
考察する結果
1.
適当な受信点での断面図を地図から得て、見通し線を確認し。例によって伝播における位相損失は考慮せず、直接波自由空間電界強度値を得て評価する。指向性は出力に反映させ予測ERPとする。山岳回析の損失があれば算出して引く。

MAMANA
の計算結果

λ
3.8m、ダイポールはλ/2、エレメント間隔はλ/4、反射器長さはダイポールのX1.1、導波器長さはX0.9、スタック間隔はλにて試算。

東京方面に着目して、絶対利得は11.5dBほど。相対利得は9.4dB、半値角は60°ほどで割と広い。以外にもバックローブが大きい、後方へも60°の範囲に-10dB以上でそれなりに飛ばしていることが分かった。(坊ヶ峯の親局があるから存在意義は少ないが、図らずも後ろへ行っちゃったというところだろう)
相対利得を採用すると、p240Wとすると、ERP3413W、相対利得を採用すると、2090W。ERP総務省の情報では最大ERP2600Wなので、それぞれ違う。スタック間隔がλより短いのかもしれないが、本当のことは分からないから、ERPは2600Wとする。
三つ峠-白根
自作アンテナがある受信点。11kmの山は大栃山1412m高、付近、-6dB程度の損失か。バックローブからとなり送信地点から真西に15°北寄りなので、アンテナゲインは-8dBで、距離d33000mpERP412Wで、73dBμV、回析損失を引くと67dBμV/m
参考までに坊ヶ峯親局からの電波はERP4400W無指向性として、d14000mなので、90dBμV/m。両局強さの格差は、以前ダイポールのみとHA1211の時のSメーターの示す具合は確かにこのくらいの差がある感覚だった。

次に受信点での電界強度とエリア(放送区域)についての一般的な話

これは少し調べたのだけれど、48dBdBμV/mって低すぎない、ノイズだらけではなかろうかという疑問から。
所要電界強度とかFM放送の指定電界強度について「基幹放送局の開設の根本的基準により、雑音区域毎(低、中、高)に放送区域の電界強度が定められている。」そうで、全国一律ではないのだ。
48dBdBμV/m
というのは低雑音区域の下限値であり、おまけにモノラルであるから、何とか聴けるかという電界強度であることが判明。

区域

FM放送 S/N55dB 高さ4m
(ただし条件はモノラル放送。
ステレオ放送ではより高い値+510dBとなるらしいが、実際にはもっと)

地域 *一部の地域

低雑音区域

48dBμV/m0.251未満mV/m

下記地域以外

中雑音区域

6070dBμV/m13未満mV/m

浦和 川口 熊谷 千葉 船橋 宇都宮 足利 水戸 日立 前橋

高雑音区域

7080dBμV/m310以下mV/m

東京23区* 名古屋 大阪 横浜 川崎

ということは、放送事業者としては高雑音区域の東京方面までエリアですと胸を張るには、70dBμV/mにステレオ放送のマージンを加えて80dBμV/mの電界強度を得るための出力を確保しなくてはいけないのか。
少し調べると 昭和3589日郵政省告示第640号平9624308号改正「放送区域等を計算による電界強度に基づいて定める場合における当該電界強度の算出の方法」という大変面倒な計算方法があり(例えば、山間部、平野、丘陵など地形により違いがあったりする)、或いは実測値に則るのか、計算値に則るのかということはあるけれど、事業者は開局においてはプランニングで考慮しているのだろう。
 結論としては、モノラルとして東京23区なら高雑音区域の7080dBμV/mであり、80が上限なら、ステレオだとやはり、下限値+10dB80dBμV/mとなるのかと推測できる。
現実的な話としては、多くのリスナーは固定ではなく車載受信機であろうから、高さは1.5m位か、その受信環境でステレオで聴けるか、モノラルで聴けるか、換言すればノイズがどの位かというのが判断材料となるのだろう。

ラジオフチューズ(ラジオ府中ズ)受信 2023/04/15 -微少電波の受信

府中朝日町-白根

昔話となるが私は27歳頃までは府中の浅間町に自宅があった、新小金井街道沿いで、この道は片側2車線の広い道路で、私が小学生の時に工事が始まった。以前は自宅前の道は東西に慶応工学部近くまで家が並んでいた。そのど真ん中に南北に道が造られたのだ。それは浅間山の西を走り、南は白糸台の方、甲州街道まで延びていた。
さてラジオフチューズの送信所が、その辺から更に東、多磨霊園正門の方にあることは、しくいち氏の「しくいちの散歩道」を拝見してしり得た。今は某大学があるそうで、その建物にアンテナがあるそうだ。
写真を観ると、U字型ダイポールの3エレ八木のようにみえ、ダイポールは折り返しダイポールの先を90°まげて、水平ではなく垂直に立てた形状にも見える。
ロケーションは府中市の東の端、隣は調布というところであるからアンテナは西向き、即ち府中の中心街へ向けてあるようだ。(ラジオフチューズHPの表紙写真のアンテナだろうか)
一方、現在の受信環境においては、最低出力のコミュニティー局でなおかつ遠距離ということで、ノイズに埋もれてもなんとか聴ける局である。
 見通し線をとると、57kmのリッジは大菩薩の稜線、ハマイバ丸の南方で、その前に2箇所擦れているのは、扇山と小仏の山並みである。回析損失は各々-30 -6-6dB、計-42dBと算出される。
総務省電波利用ホームページ無線局免許状等情報を調べると最大実効輻射電力 7.4Wとのことで、d92000m、p7.4w、例によって伝播における位相損失は考慮せず、直接波自由空間電界強度値を得ると46.3dBdBμV/mとなり、回析損失を引くと、4.3dBμV/m、アンテナ長やアンテナ利得などから、-2dBとすると、受信機への入力は僅か2.3μVと予想される。
 感心したのは、なかなかうなずく数値で、チューナーのスペックに示される「感度」、1μVとか2μVを思い起こさせる。