エアバッグ警告灯が消えない !! ・・・がんばって消しました 2024/04/15
アトレーワゴン GF-S220G ターボ 156500km

昨年の夏、暑い日に駐車場にほぼ日中置いておいた後に、エンジンをかけたらエアバックの警告灯がつきっぱなしに。
調べるとこれでは車検は通らない。
この愛車まだまだ機関の調子は良好で、納車時から僅かにオイル漏れがあり、塗装とか外見に問題はあるが、好きで乗っている。
 その後、オイル交換の時にダイハツに相談したら、またの機会に検査してくださいとの事だったので、先月診てもらった。
その結果は、エアバックコンピューターの不良とのこと、交換部品は既にありませんが、廃車から探すことで見つけることも出来そうな話だった。
ので、ヤフオクで探すと、有り難いことに数点同じ物があった。

大枚はたいて購入して、取り付けるがやはり同じ症状。一瞬は消えるがまた警告灯がつく。ディーラーの診断は当てにならなかったのである。
一応、もとの中身を確認。

いわゆるマイコン制御基盤、贅沢に原発水晶はハーフサイズ、加速度センサーは左にある白い部品か?ケミコンは松下製で頼りないが、外見の異常は無し、DMM導通も問題なし、ただ振るとカラカラ音がするのが気になる。基盤の造りは良好。マイコンチップの型番は不明。
警告灯はコネクタ8ピンから出力され、抵抗を介して電源にプルアップされている。よって8ピンがオープンになると点灯する。消えているときは、エアバッグコンピューター内でバイパスされて消えるということとなる。だからエアバッグコンピューターのコネクタを外せば点灯しっぱなしとなる理由はここにある。
 正常動作時では、最初点灯して遅れて消えるのは、マイコンが起動して、所定(プログラム)のシーケンスにて診断してから結果を出すのだろう。
このエアバッグECUは、初期の物でワンセンサ式、運転席,助手席エアバッグおよび、シートベルトプリテンショナーの4Chシステムのようである。

いろいろネットで調べると、このエアバッグ警告灯関係は、さまざまな原因で生じることを知った。列挙すると

1. このエアバッグコンピューター、別名エアバッグセンサー或いはECU の不良
2. スパイラルケープルの不良 [主に断線、ホーンが鳴らなくなるので分かるかもしれない]
3. インフレーターの不良 [発火装置、即ち点火ヒーター(スクイブ:着火剤)の不良 正常なら数Ω、この車では、ステアリングのが1.5Ω、助手席が2Ω、ただ発火しないように私のDMMでの計測時の電流は数mA、電圧は数mVであることを確認してから計測している。普通は誤爆させないように・・特に昔のアナログテスターで計ることは危険禁止。]
4. シートベルト、プリテンショナーの不良、[これも火薬を爆発させるので、点火ヒーター(スクイブ)の不良、計測すると2Ω位。計測することは同様に危険・]
5. ハーネスの断線(そんな恥ずかしいことは滅多にはないだろうが、この車は、ステアリングですれてのリコールはされている)

2.〜5.はすべて回路のオープン(或いはショート)であるから、電気回路的には至極単純でもある。
 原因調査時の共通注意事項は、コネクターは誤爆防止のため、外したときにはショート(短絡)になる機構があること。
だから、スパイラルケープルもそれのみ計るとショートととれるが、全部繋げると真の値が出てくる。
がしかし、私のDMM以外のDMMやテスターで計測する事は危険である。
仮に、印加される電圧を計測し0.1V以下なら、2Ωとして、電力5mW以下だから点火することはないだろうが、保証できるものではない。
 安全な手段としては、防爆のためインフレーター、すなわち点火ヒーター(スクイブ)のみ外して、すなわち終末端を外して、その手前のショートコネクタを、(片側に絶縁物を挟んでとかして)オープン(短絡解除)にしてから、テスターで計れば安全に確認は可能である。
その際、エアバッグコンピューターのピン間の抵抗値と同じような値が得られれば、ハーネス(配線)やスパイラルケーブルには問題がないと判断できる。
またこの回路はアースとは絶縁されているので、それも確認した方が良いかもしれない。
 そしてすべての系統で、短絡を解除した状態で、終末端の点火ヒーター(スクイブ)の代わりに2〜3Ωの抵抗を繋げれば、警告灯は消えるはずである。

若し消えないなら原因 1. エアバッグコンピューター不良 を疑う。
若し消えたなら、運転席か、助手席のインフレーター、或いは運転席か、助手席のプリテンショナーの各点火ヒーター(スクイブ)の不良だと推測できる。
次にも1系統ずつ、現物に替えてみて、警告灯がつけば、それが不良であると疑われる。ただ面倒な作業ではある。
ただこれは、このエアバッグコンピューターだけの話ではある。
このようにコネクタを外すと、下にある幅広の板が接触して、ショートとなる機構
また、この作業をするときはバッテリー(マイナス端子)は外すことであり、どちら様かが上げてくれたハイゼットのマニュアルでは、30秒以上後とある。何時間も待つ必要はないと思う、理由は基盤の一番大きなケミコン(バックアップコンデンサー、24V系)にチャージ(充電)された電荷が減り、発火出来なくなればよく、ケミコンは3300μF 程度なのだから(逆をいえば、これ一本で4カ所の点火ヒーター(スクイブ)をまかなえるのだろうか?この容量では数Aは供給できないだろう。とすればインフレーターは小電力で発火爆発しやすいということになる、原理としては、スクイブで小さな爆発を生じ、伝火薬を発火させ、それによりガス発生器が燃焼反応し、気体を発生させる。
私は、バッテリーをつけたまま作業をしたこともあったが、万が一誤爆してもこちらとしては責任はとれない。
 
原因 1.エアバッグコンピューター、別名エアバッグセンサーの不良 既に述べたように違う。 次・・
2. スパイラルケープルの不良 だが、当初はショート機構が分からず疑った。が、違う。ホーンも鳴る。
太い黄色の蛇腹がリコール(No2471)での処置か、奥にドーナツ形のスパイラルケーブルが見えるステアリング19mmのナットは死ぬほど堅いので、ダイハツで緩めてもらったが、結局ステアリングは堅くて抜けない。今のところ抜く必要もなくなったが。
そのあとエアバッグコンピューター基盤のみを取り出して、コネクタを差し、ピンコネを先の御仁の情報により、基板上のピンにて計測した。その際、発火ヒーターまで全部繋げて、計測したら、4つ系統で先述の値が得られたが、助手席プリテンショナーの発火ヒーター(スクイブ)のみ、9.5kΩ位である。 この9.5kΩとは基盤のみで計測するとこうなる値であることは分かっていた、またハーネスも導通は確認しているから、結論は発火ヒーター(スクイブ)のオープン(開放)である。
シートベルト巻き取り装置を取り出して、点火ヒーター(スクイブ)を計るとやはりオープンである。だましに、3.3Ω3Wをかませたら、警告灯は消えた。
故障原因は、4. シートベルト、プリテンショナーの不良であった。その修理については相手が爆薬なので、分解などしない方が身のためだと思いしない。
 後に、エアバッグコンピューターはもとのに戻しても問題なし。以上、ここまでのご報告、ご参考になれば幸い。